今週は多忙で、しばらく更新できませんでした。さて、突然ですが、当ブログのことについて、実は一部で大変好評のため、読者の方がいる限りは今後も続けようと考えています。

運営に際して、今後さらに見やすく、機能面でも充実したものを提供するために、現在サイトのお引越しの準備をしております。


また新しく立ち上げたサイトの準備ができましたら、追って告知致しますので、どうか今後ともよろしくお願いします。


次回のテーマは「虫歯の行く末」ということで、管理人自身も虫歯体質で昨年は毎週歯医者さんに通っていました。歯だから最悪死にはしないしいいや、と言う方も稀にいらっしゃいますが、虫歯は放置しておくとあなたの健康を脅かす怖い病気に発展します。それを防ぐためにどうするか、ということを一緒に考えていきましょう。

以下蛇足というか虫歯つながりでのトピックについて、完全なる私見ですが考えてみました。読み飛ばしてくれて結構です。


ところで、今問題となっている2歳のお子さんの歯科麻酔での事故。「麻酔の中毒」が原因の事故、と報道されています。麻酔の中毒といっても色々あると思いますが、実際に歯科麻酔に使うリドカインの添付文書(説明書のようなものです)を調べたところ、おそらく麻酔薬の血中濃度が急激に高くなったことにより、リドカイン の副作用である痙攣、呼吸抑制からくる低酸素脳症が死亡原因と推測されます。麻酔薬の血中濃度が高くなった原因は、警察の調べでは投与量は問題なかった、と書いてあるので過量投与ではなく、血液内への移行が多かった、あるいは速かったのではないかと思います。麻酔の注射針が歯茎の毛細血管の中にあり直接麻酔薬が入った可能性もありますが、治療後に症状が出ていたようなのでおそらくは徐々に浸透したのでしょう。もう1つの要因としては、体重の違いだと思います。小さいお子さんにあまり薬は使いたくないですが、我々は止むを得ずお子さんに薬を出す時、お子さんの体重何kgあたり、どれくらいで、という計算の方法をとります。
しかし、麻酔は飲み薬でも静脈注射薬でもないので、おそらくそうして明確な基準がないのでしょう。例えば足を切って縫う時に、多少麻酔を多く使っても問題はありません。しかし、歯茎は毛細血管が多いので、血中濃度が上がりやすいんだと思います。

以下、リドカイン 歯科麻酔用キットの添付文書より引用

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また原著論文などの文献も調べましたが、体重ごとに何mlまで使って良い、といったような記載は調べた限りではなく、そもそも小児では歯科麻酔への苦痛や恐怖が強いため、ガイドラインを作るに足るエビデンスを得ること自体が難しいようですね。

結論としては、現状では体重の小さい小児に対する歯科治療は必要最小限とし、麻酔薬の使用時には血中濃度上昇による中毒症状にアフターケアも含めて十分注意する必要があると考えます。


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