こんばんは。アルバイトからの帰り、電車が止まって思わぬ足止めを食らってしまいましたが、何とか動いてくれたので帰宅中です。
さて、アルバイト先の医局で脳梗塞のパンフレットを見つけたのでネタにしてみました。

脳梗塞というのは、脳に酸素や栄養を運ぶ血管のどれかが血栓などで詰まってしまう病気です。梗塞、という言葉が詰まることを意味していますから、心筋梗塞も同じ理屈です。

では、脳梗塞とはどのような症状が出る病気でしょうか? 私は母や祖父からよく「頭痛がする、脳梗塞かもしれない」と相談を受けることがありますが、それは少し違います。例外はありますが、脳梗塞、つまり脳の血管が詰まると、その領域の脳の機能が悪くなります。具体的には麻痺症状が出ます。詰まってしまう部位にもよるので、うまく言葉がしゃべれなくなったり、手足が麻痺したり、顔にシワが寄らなくなり左右非対称な不自然な表情になります。

ここがポイントですが、神経は途中でクロスしているため、右の脳梗塞では左麻痺が、左の脳梗塞では右麻痺が起こります。

普通は血管が急に詰まるときは1つの血管なので、詰まった血管と逆の手足が動かなくなるわけです。これを片麻痺と言います。


さて、脳梗塞の症状はこれで分かりましたが、どんな原因で病気になるのでしょうか?

大雑把に分けると、首を通って脳に栄養を与える血管(動脈)が徐々に動脈硬化を起こして詰まる場合と、不整脈が原因で心臓に血栓ができてしまい、それが脳に飛んで脳梗塞が起こる場合があります。

脳に栄養を与える血管が詰まる、のはわりと自然な話ですが、心臓に血栓?というのは聞きなれないかもしれません。

今回はその不整脈と脳梗塞の関係について少し詳しく説明します。

前回心不全の回で、不整脈にも色々ある、と言いましたが、心房細動という不整脈をご存知でしょうか?

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ここでパンフレットの絵の説明になります。心房細動とはズバリ心臓の上の部屋が小刻みに震えることにより、左心耳という場所で血液が固まり、血栓ができてしまうのです。心臓にできた血栓は、運が悪いとそのまま大動脈という全身に酸素や栄養を与える血管を通って全身に運ばれていきます。この心臓でできた血栓が脳の血管にいくことで血管が詰まってしまい、脳梗塞が起こります。このため専門用語では心原性脳梗塞と言います。心臓が原因の脳梗塞ということですね。

ご高齢の方や血圧が高い方、糖尿病の方は、この心房細動があると血栓ができるリスクがより高くなるので、予防のため血液をサラサラにする薬が処方されます。

不整脈は心臓のことなのに、脳梗塞の話になってしまう。ここが怖いところでもあり、ポイントなのです。

血液をサラサラにする薬ですが、残念ながら現在の医学ではノーリスクで使える薬は開発されておらず、血栓、つまり血が固まるのを予防する代わりに出血の副作用が起こることがあります。私たちは患者さんごとに、出血のリスクが高いのか、それとも脳梗塞のリスクが高いのかを見極めないといけません。もちろん一定の基準はありますが、例えばかなり高齢の方で転んで転倒しやすい(転倒して頭を打ったら脳出血するかもしれません)、みたい数値化できないことも大事なので一定の基準と医師の経験や判断により治療を決めないといけません。

良かれと思って血液をサラサラにする薬を処方しても、残念なことに出血を起こしてそれが致命的となり亡くなってしまう方もいる。

今後医学がさらに発展し、どちらも防げるような薬が開発されるといいのですが。


明日からまた月曜日、1週間が始まりますね。
それではまた。そろそろ電車も上野駅に着きます。おやすみなさい。